休校中の今、中学校の先生は何しているの?【休校時と通常時の比較】

学校&勉強ブログ

こんにちは

てぃーちゃーMです

今回は、休校中の中学校の先生は何しているの?という事を平常時の仕事と比較して紹介します

「将来に教師になりたいな・・・。そういえば台風とかでも休校になるけど、その時も暇なんじゃないのかな?先生って忙しいって言われているけどどうなんだろう?」

あなたが将来教師を目指しているなら

教師の実態を知っておいた方がいいです

仕事を選ぶ幅が広がるし、改めて教職を目指すきっかけにもなります

2020年になり年度末(3月)と年度初め(4月~)まで継続して「新型コロナ」の影響で休校が続いています

「台風が接近して、暴風警報なんかが出たときも休みになるよね?」

そうです

そんなときも学校は休校になります

ですが、期間が全然違うので今回は特別です

休校が長期間続くので、授業も部活も無いから先生は暇なんじゃないの?と思うかもしれません

ですが、それは

教師によって様々

です

こんな時期だから早く帰る教師もいれば、遅くまで仕事をしている教師もいます

そんな教師の実情を紹介します

なお、私が以前勤めていた中学校の同僚や調査会社の知り合いからのデータなので、信頼はありますが、実際私が1校1校聞いたわけではないのでご了承ください

もくじ

休校時と通常時の比較

勤務状況

データと、勤務校の様子を割合で言うと

残業時間

  • 定時帰宅 ・・・約4割
  • 1時間以内・・・約3割
  • 1~2時間・・・約2割
  • 2時間以上・・・約1割

といった感じです

休校中の仕事内容で増えているのが

  • 打ち合わせ・会議  ・・・6割
  • 家庭学習用資料の作成・・・5割
  • 学校での児童受け入れ・・・1割未満
  • 家庭訪問      ・・・4割
  • 電話連絡      ・・・6割
  • 地域巡視      ・・・4割
  • オンライン授業   ・・・6%(小中の平均)

ですが、これらをひとつずつ解いていきます

定時帰宅

まず、勤務時間ですが、定時に帰ることのできる教員が大幅に増えています

約4割という事は約半数が定時には帰るという事です

公立の中学校ではほとんどの教師が部活動の顧問です

平常時は基本的に放課後から始まる部活動ですので、部活をして定時に帰るという事はほぼ不可能です

というより、忙しい教師の場合は部活動後から自分の仕事が始まります

ですが、休校になった今、半数が定時帰宅という事はそれだけ業務の負担は減っているという事になります

もちろん、社会的な影響もあり、仕事時間の短縮なども考えてのことでしょうが、普段より勤務時間での負担は大幅に減っているといえます

1時間以内の残業

約3割ですが、教師の教科にも寄りますが、プリント作成などをしていると大量に印刷をしなければならい場合が多いです

プリント作成から印刷、製本までを基本的には一人でやります

印刷機も一人1台ではありませんので、誰かが使っていると使えないことも多いです(故障中も多かったですし、湿気などの関係でプリントミスを量産する印刷機も「学校」にはとても多いです)

タイミングが悪かったり、会議などで時間が長引いたりしていると、やることは終わっているのに印刷ができていないという事もよくあります

その他、単純に1年間で使用する定期テストを作ろうと思ったら時間がかかります

1回1回が1度きりしかない授業やテストの準備には、慎重かつしっかりと精査しなければならないので本当に時間がかかるのです

そういった事務作業を多くやっているだけで、おそらく1時間以内の残業している教師は、帰ろうと思えば早くは帰ることのできる教師です

という事は定時帰宅と1時間以内を合わせると、約7割の教師が休校のため早く帰ることができるようになっているという事です

1時間以上の残業

ここから上の残業をしている教師は、他の教師とは別で考えたほうがいいでしょう

一般の教師は、重要な「役」が付いていません

特に重要な「役」が、進路指導主事、教務主任です

学校にいる一般教師の中で、誰かがこれらの役をやらなければなりません

この人たちは忙しいです

なぜなら、教務主任は学校の行事や授業の組み立てなどを管理している役だから、いつ始まるかわからない今、行事に合わせて、教師の時間割を何度も練り直さなければなりません

これがとても大変です。平常時でも常に残業時間は長いのが教務主任です

続いて進路指導主事

今回の件で進路への影響もとても大きくなってくる(すでになっている)でしょう

9月入学案や政府の方針、地方自治体の方針などで、足並みがそろっていない場面なども見られます

進路の枠組みも心配ですが、何より勉強面でも変化があれば入試に影響します

その他、私立学校などの受け入れ基準なども変わる可能性もありますし、てんやわんやの各学校との連絡を密にとらなければならない進路指導主事はすでに忙しいでしょう(本来ならば年末ごろから超多忙になっていきます)

最後に管理職

管理職とは校長と教頭などです

学校を管理する、教師を管理する側の人間なので、会社で言うと経営陣です

一般社員とはまた別の存在です

単純に、学校の管理者なので定時帰宅は基本的に無理です

学校によっては管理職同士で交互に早く帰るようにしているようですが

学校間の打ち合わせや学校内での打ち合わせ、方向性や方針を作っていかなければならないので大変です

学校の最高責任者ですので1つの決断で多くの教師や生徒、保護者や地域に影響が出ます

その分、それだけ給料はもらっていますけどね

(参考:▲中学校の先生になったら給料はいくらもらえるの?【給料明細とやりがい】▲

仕事内容

ここが重要です

(これも参考にしてください▲中学教師をやってて楽しいと思える瞬間【中学校教師の仕事の中身】▲

打ち合わせ・会議

もちろん休校中の学校のやること、学年でのやること、教科でのやることを考えないといけません

行事が中止、延期、変更になっている分を検討し直さなければなりません

学校が再開してからの方向性や計画を立てなければなりません

約6割の学校が、会議が増えたといっていますが当たり前です

普段は基本放課後に行います

授業が終わり、帰りのホームルームが終わり、会議や打ち合わせが始まるのですが、定時に終わらせることが基本ですが、終わることは稀です

もちろん会議中なので他の仕事ができるわけでもなく、話すことが何もなくても待っておかなければなりません

基本的には報告が主ですが時間がかかるのが学校の会議です

会議が5時までに終わればいいのですが、そこから自分の仕事になります

会議後の仕事はつらいです。やる気が出ません(長い話を聞いた後だから)

打ち合わせは各学年などでいろいろ話し合うので当然時間はかかります

学年での行事関係や勉強関係などいろいろです

行事や時間が大きく変わる中、学年の色々も変更せざるを得ないので打ち合わせに時間がかかることは当然ですし、仕方がないです(重要なので)

学習に関して

今回の大きな問題です

約5割の学校が資料の作成の業務が増えたと回答していますが

基本的に「当たり前」です

普段からプリントを使っている教科もあると思うのでそこまでの負担増にはなりません

ですが、本来考えなければならないことは、勉強をどうやってさせていくかです

学校の方針や行政の方針もあるかもしれませんが、やっていることは

「プリントを配ってハイ終わり」です

教師陣も手の打ちようがないのが現状かもしれませんが、だからこそ工夫して考えていくべきです

ここで注目するべきなのがオンライン授業の実施率です

小中学校含めて平均して約6%です

中学校だけを見れば2%程度です

ということは

全然オンライン授業はやっていないという事です

もちろん今回の件に関しても、期間的な出来事かもしれません

ですが、こういった事態に柔軟に対応できないのが公立学校です

先ほどの進路の話と重ねると、学校の授業はこのまま再開する、入試時期も変更なしという事になると

学習の進度が重要になってきます

片や、私立の学校のHPを見ると、当たり前のようにオンラインでの授業展開が行われていました

長い人生を見れば、たった数か月ですが

受験生にとっては1日1日が大切な重要な数か月をどう過ごせたかが重要です

各社社会が広がるといわれている現代で、こうも私立と公立の学習の格差があるのかと愕然する数字ですよね?

学校での児童受け入れ

これも仕方がないところではありますが、学校で児童を受け入れるという事です(学童ではありません)

1割未満の学校が取り組んでいることなのですが、ほとんどやっていないといっていいでしょう

3密を避けるという意味で、学校でも場所(スペース)の確保が、全生徒分は取れません

そうなると、一部の生徒だけを受け入れるしかありませんし、実施したとしても、生徒を見るという事が難しいです

数名だけを教室に放置というわけにはいきませんので、教師が付く

教師がその場所の責任者になるという事は自分の仕事ができない(やりにくい)という事ですから難しいです

電話連絡・家庭訪問

平常時でも、ほぼ毎日、どこかの家庭には連絡をします

緊急時となったら毎日、子供たちの様子を確認するため電話連絡はするべきです

ですが電話連絡が増えたかどうかで言うと約6割しか増えていないという事は、毎日は連絡していないという事です

事実、私の兄弟が大阪に住んでいますが、小学校からの連絡はここ数か月で2回あったかな?ぐらいだったようです

教師の使命は子供を正しく成長させることです

そこには保護者の協力、保護者へのサポートは絶対に必要です

たとえ電話連絡があったというだけでも救われる保護者はいるのです

あなたが、教師になったときは家庭訪問を毎日とは言いませんが、やっぱり、こういった緊急時には各家庭に1日1回は電話連絡か家庭訪問をするべきです

と言っても、今回の件では、家庭訪問は難しいかもしれません

ですが、4割が増えたという事は、少しは実施しているみたいですね

家庭が「来てもらうのはちょっと・・・」となっている場合があると思うので

この4割増えたというのも感染リスクや外出自粛のことを考えるとどうかな?という思いはあります

個人的な理想を言うと、電話連絡は10割アップで、家庭訪問は2,3割アップで十分だと思います

地域巡視

保護者が家にいない場合だと子供はおそらく遊びに出かけます

親の責任だという人もいるし、学校教員でもそう言う教師はいます

ですが、両親共働きが当たり前の現代で、子供にそこまでついていられるか?というと、難しい家庭が多いのは事実です

地域からのクレームもあるみたいで、休校中の地域巡視はもちろん増えるでしょう

ですが、こういったことも、生徒を普段から指導、教育できていれば、増えなくていい仕事です

平常時の仕事

部活動は近年、時間を減らすようガイドラインが出ているのですが、一昔前の1日の例を紹介します

  • 7:00~出勤。朝練(部活指導)
  • 8:00~登校指導
  • 9:00~授業(忙しい日だと空き時間は無い)
  • 16:00~部活動
  • 18:00~仕事(授業用・保護者用・学級用配布物作成、授業作成、テスト作成、ノートチェック、宿題チェック、学級の掲示物作成、保護者対応(場合によっては家庭訪問)、など)
  • 19:30~帰宅

もちろんその日に「仕事」が終わるわけはありません、少しずつ優先順位の高い物から片づけていきます

ですが、授業は日日の業務なので必須です

ですから、授業づくりは基本的には学校ではしません

教師の「宿題」です

というわけで、忙しい時だと授業づくりは家での宿題という事で、就寝は0:00といったところでしょうか

中学校の場合、土曜日も、場合によっては日曜日も部活動で練習や試合などをやっています

引率やレフリーもあったりするのと、残っている仕事を片付けるので、休日という休日は無かったような気もします

部活動のガイドラインが出たことにより多少負担は減りましたが、その分、生徒や保護者からの要望は多くなりました

(参考:▲忙しいは言い訳!学校の教師は時間を作れてナンボ【授業進捗表の作り方】▲

まとめ

今回は

勤務時間に関してと、仕事内容に関してを紹介しました

1時間以内で帰るのが7割いるので時間的な負担はとても減っている

それ以上で時間がかかるのは役職的に難しい○○主任や管理職

仕事内容自体は、授業は減っているが、事務的な作業や打ち合わせが増えているということ

一部では、巡視や学校での受け入れ児童の対応などでデスクワークができなくなる時間もある

総合すると、負担は確実に減っています

ですが、考えるのが現状だけではいけません

そうです

未来です

  • 遅れた分の授業をどう取り戻すか?
  • 少なくなっている分の授業時間をどう埋めていくのか?
  • 行事はどうするのか?
  • 学級内での教室整備はどうするのか?
  • 部活動はどうするのか?

課題は山積みです

見なければいけないのは、「教師の今」では無く「生徒の未来」です

大人にとっては仕事ですが、子供にとっては1度しかない人生の重要な時期です「大切な思い出」を作る時期です

子どもたちの大切な時間を、大人がどのようにして「守っていってあげるか」が教師のこれからの仕事です

最後に

あなたが教師を目指すのであれば、本当にやることは一つです

「愛してあげる」だけです

愛するとは「生徒一人一人のために行動する」ということです

(参考:1年目の教師が持つべき3つのモノ【教師の資質】

場合によってはあなたの考えを崩さなければならない理不尽な要求もあります

ですが、最終的に生徒の人生が豊かになるのならそれでいいんではないでしょうか?

もちろん、曲がっていることはダメです、ダメなものはダメとはっきりと示してあげなければなりません

例えば、不登校にもいろいろ理由はあります

時にはあなたの行動が「聴く」だけになることもあります

アドバイスをするだけが教師ではありません

「聴く」は動詞です。「聴く」という行動も大切な愛です

ただ生徒から聞こえてくる声を聞くのではなく、心の思いを聴けるようになってほしいです

その気持ちがあれば教師は誰にでもできます

今回の記事があなたにとって参考になれば幸いです

私も少しでも学生の勉強の足しになればと

授業の記事・動画をまとめていますので、こういった授業の展開もあるんだと、参考の一つとしてください

▶【てぃーちゃーMの社会科】地理一覧

地理一覧
「地理一覧」の記事一覧です。

▶【てぃーちゃーMの社会科】歴史一覧

歴史一覧
「歴史一覧」の記事一覧です。

▶【てぃーちゃーMの社会科】公民一覧

公民一覧
「公民一覧」の記事一覧です。

▶【中学社会科動画】youtube

https://www.youtube.com/playlist?list=PLWuTo1d_8MwwdbfWkLWaPLUibd6h0I0E0

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